推拿(すいな)は鍼灸、中薬(漢方)と並ぶ中国伝統医学(中医学)における三大治療法の一つであり、その中でも特に古く、数千年もの間、臨床と体験を重ね西洋医学をも取り入れた、近年における最新最古の治療法として、アジア・欧米各国などで注目を集めております。
古来より日本では「治療する」ということを「手当てする」と呼んでおりました。本来この手当てとは、人間が生来より持ち合わせている手の能力を最大限に引用して病気の箇所を改善する行為のことであり、これを手技療法と呼んでおります。多くの方に経験があることと思われますが、頭痛や腹痛のとき、本能的に人はその痛んだ箇所に手をやり、さすり、温めるなどの行動をしてその症状を改善を行います。
これが手技療法の原点であり、推拿とは手技療法の中において、古来より長き年月をかけて進化を遂げた中医基礎理論に基づく独特な療法です。
中国では古来より、名医家の定義を「病気を患う前に病気の芽を摘み取る、病気予防の立場から病気にならない身体を作り上げる医家」のことを指しておりました。そうした中、医療実際の自然回復への流れが注視されている今日において、手技療法が多くの医療現場で施されております。
推拿は、病気を予防し健康な身体を作り上げる、病気の根本治療に対する高い臨床実績という点において、長きに渡り確立された癒しの手技療法です。
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